他人ごとではない?「認知症と聞こえ」のお話し(その4) 池袋東武補聴器さろん
2018.10.20 池袋東武店, 補聴器通信, コラム
東武百貨店池袋店5階10番地ヒアリングギア・補聴器さろんの豊川です。
今回がシリーズ最終回となります。
「認知症と聞こえ」のお話し vol.4 補聴器をすると難聴は?治るのでしょうか
加齢性難聴の原因となる音を判断する細胞の減少は手術等では治すことが出来ません。
また、補聴器を使用しても細胞が増えることもありません。
加齢性難聴は一般的には治すことが出来ない難聴になります。
しかし、ここで重要なのが
耳・補聴器は「音」を取るための器官・道具であり、「音」を「言葉」として理解するのは「耳」でなく「脳」が行っているということです。
しかし、脳で音を言葉として判断することは一朝一夕に出来るわけではありません。
少しずつ音を入れながら、様々な環境で音を聴きながら、時間をかけて脳で音を言葉で判断できるように、不必要な環境音は切り捨てられるように訓練が必要です。
日本の補聴器の満足度は諸外国が約7割程度というのに比べると、極端に低く4割にも満たないという調査報告があります。
これには様々な原因、医師との連携不足、販売店の知識・技術力不足がありますが、補聴器への理解度の低さも原因の一つとなっています。
例えば、お客様に以下のように説明すると10人中3人くらいの方が説明だけで帰られてしまうのが現状です。(私たち販売に携わる者も、よりご納得いただける説明を日々勉強し工夫する必要があります。)
〇 補聴器は着けた瞬間、全ての音が綺麗に邪魔することなく聞こえるわけではありません。
〇 補聴器を着けても20代、30代の頃の聞こえに戻るわけではありません。 → 難聴が治るわけではありません。
〇 高価な補聴器ほど雑音を抑えてくれますが、雑音がゼロになるわけではありません。
〇 補聴器の聞こえをより良く実感なさるには、定期的な調整と補聴器からの音に脳がなれるための時間が必要です。
今まで聴こえなかった音が急に聞こえると脳はビックリし、「ウルサイ」「ハッキリしない」などという症状を引き起こします。
聴力が低下することで、以前は普通に聞こえていた音も聞こえなくなっているのが当たり前になってしまった結果、起こる現象です。
そういう意味では、この部分でも認知機能の低下が一部見られるとも言えるかも知れません。
補聴器はその人に合った補聴器にするために、しっかりとした「調整」と補聴器から聞こえてくる音に脳がなれるための、ある程度の「時間」が必要です。このことをしっかりとご理解いただいた上で、補聴器のご購入を検討いただき、まずはお試しなさることをお勧めします。
4回に亘りまして「難聴と認知症の関係」についてお話しいたしましたが、抜粋いたしますと
〇 難聴によってすぐに認知症になるわけではありません。
〇 難聴により、コミュニケーションが少なくなったり、社会交流が減ったりすることで認知機能に影響が出る可能性があります。
〇 耳・補聴器は「音」をとるための器官・道具です。「音」「言葉」として理解するのは「耳」でなく「脳」が行っています。
〇 会話コミュニケーションは、耳に言葉(音)が入ることで始まります。
〇 音が入らなければ、脳に伝えることが出来ません。耳で聴き、脳で思考し、判断するというのが、言葉を理解するプロセスです。
〇 補聴器は、その方に合った補聴器にするため、しっかりとした「調整」と、補聴器から聞こえてくる音に脳が慣れるため、ある程度の「時間」が必要となりますのでご承知おきください。
まずは当店で一度ご試聴なさいませんか。
定期的な耳鼻咽喉科専門医の受診、相談もお勧めいたします。
お読みいただき、有難うございました。
皆様と売場でお会い出来ますことを楽しみにしております。