認定補聴器技能者のブログ『補聴器通信』 補聴器の形色々② 東武百貨店5階補聴器さろん
2024.3.23 池袋東武店, 補聴器
東武百貨店池袋店5階10番地 補聴器さろんの豊川です。いつも当店をご愛顧いただき、ありがとうございます。
前回は補聴器の形とその特徴について大まかにお伝えしました。
今回は、その中で耳かけ型補聴器について、さらに掘り下げてお話しいたします。
耳かけ型補聴器
耳かけ型補聴器はRIC(RIE)と呼ばれる形とBTEと呼ばれる形の2種類に分けられます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
RIC(RIE)型
Receiver ㏌ Canal(レシーバー イン カナル)、Receiver in Ear(レシーバー イン イヤー)の略になります。
補聴器が集音し、音を分析、増幅した音を出すパーツを「レシーバー」と言います。
このパーツが耳の穴の中にあるという形です。
メリット
・レシーバーが耳の穴の中にある=鼓膜に近いところで音が鳴るため、よりリアルな音質になる
・レシーバーのパワーに選択の幅があり、使用者の聴力に合わせて部品交換によってパワーの増幅が可能
・耳栓の選択が全機種中一番多く、装用者や聞こえに合わせて変更が可能。自声の響き感、こもり感が少ない
・レシーバーを補聴器本体に内蔵しない分、小型化が可能で目立ちにくい
デメリット
・耳の穴の中にも器械が入るため、耳垢の多い方は汚れの為詰まって聞こえない等の症状が多く、耳垂れや滲出性中耳炎等で水が出てしまうなどの方は故障してしまうリスクが高い
・どの耳栓を選んでも使用者の耳に完璧にはフィットしないため、補聴器が増幅した音が外に漏れてしまい聞こえの低下やハウリングのリスクが高くなる
・レシーバー部分が細く、装用の仕方に難がある方は破損しやすい
BTE型
Back To Ear(バック トゥ イヤー)耳の後ろに掛ける形。
従来の耳かけ型補聴器。レシーバーも本体内蔵で、補聴器が増幅した音はチューブを通って耳の中に入る。
チューブは機種によって、一般的な太目のチューブか細くて目立たないチューブを選択することが可能。
メリット
・形が大きめなので手先に難がある方でも装用やボリューム操作等、取扱いしやすい
・耳穴へ入るのは耳栓だけなので、耳垂れや滲出性中耳炎等の影響で故障リスクが低くなる
・電池タイプだと電池が大型のものを選択することができ、電池寿命が延びる
・重度難聴の方用にハイパワータイプが用意されている
デメリット
・形が大きめの為、目立ってしまう
・RIC型に比べると選べる耳栓の数が少ない(大小のみで、形の変化は無し)
・RIC型や耳穴型に比べ、音を鳴らす部分は耳穴の外側に存在するため、音のリアル感が多少薄れる(個人差あり)
まとめ
RIC型、BTE型、それぞれに特徴があります。
一般的には「目立たない方が良い」「部品交換で幅広く使用ができる」という理由でRIC型が人気ですが、「破損しやすい」「小さくて扱いにくい」「失くしてしまう」等の理由でBTE型を選ばれる方も一定数いらっしゃいます。
取扱いの得手不得手、見た目の重要性等、個人で感覚が違いますので、実際に試聴してみていただくことをお勧めします。
次回は耳穴型補聴器についてご紹介させていただきます。