認定補聴器技能者のブログ『補聴器通信』 聞こえの測定① 東武百貨店5階 補聴器さろん

2025.6.13 池袋東武店, 補聴器通信, 補聴器, コラム

東武百貨店池袋店5階10番地 補聴器さろんの豊川です。いつも当店をご愛顧いただき、ありがとうございます。
こちらのコラム『補聴器通信』では、イベント情報とは別に、聞こえや補聴器のお役立ち情報を配信いたします。
不定期ですが是非お読みください。
聞こえの測定①
補聴器をお試しする前には必ず聞こえの測定を行います。
また、耳鼻科を受診された際にも場合によっては行うことがあります。
その測定の結果として、折れ線グラフのような図を見たことがある方もいらっしゃると思います。
この図はオージオグラムと呼ばれ、その方の「音」の聞こえ方を表にしているものです。
今回はこのオージオグラムの見方、読み方についてご説明させていただきます。
オージオグラムの例

・気導聴力
耳の穴(外耳道)を通して聞こえる聴力 〇:右耳 ✕:左
・骨導聴力
頭蓋骨からの振動を伝って聞こえる聴力 [:右耳 ] :左耳
右が赤、左が青で表記されることが一般的ですが、データをプリントした物だと左右共に黒での表記が多いです。
・グラフの縦軸 ⇒ 聞こえる音の大きさ(聴力レベル)
〇、✕、[、] のマークがグラフ上で下に行けば行くほど、大きな音でないと聞こえない(聴力が低下している)
上に行けば行くほど小さな音でも聞こえる(聴力の低下がみられない)
0 ㏈ の表記は音が無しというわけではなく、 0 ㏈ を健聴の人が聞き取れる最も小さい音を平均化したものとして設定しています。小さなお子さんや聴力が平均よりも良い方は-10 ㏈ でも聞こえる場合があります。
・グラフの縦軸 ⇒ 測定した音の周波数(音の高い、低い)
単純に「音」といっても大きさだけでなく、音質、音の高い、低いがあります。
聞こえの測定はいくつかの周波数に分けて測定を行います。
グラフに向かって左側が低い音、右側が高い音の聞こえ方を表します。
一般的に健康診断で行われるのは、1,000Hzと4,000Hzで40㏈の音が聞こえるかどうかを測定します。
上のオージオグラム例で見ると、〇(右耳)の方が全体的にマークが上。✕(左耳)の方が全体的に下。
右耳の方が左耳より聞こえやすい。左耳の方が右耳に比べると聴力の低下が見られます。
また、左右共に125Hz~500Hz(低い音)の低下は少なく、1,000Hz辺りから徐々に低下が進み2,000~8,000Hz(高い音)にかけて聴力の低下が見られます。
また、特定の周波数のみに著しい低下が見られる、気導聴力と骨導聴力の差が大きい、左右差が大きいなどの場合は治療等によって改善が見込めるケースやその他の異常の疑いがあるため、耳鼻咽喉科医の相談を受けることをお勧めします。
※特に異常が無くても、定期的な耳鼻咽喉科受診による確認・相談はお勧めしています。
まとめ
今回はオージオグラムの各記号の読み方、グラフの意味についてお話しさせていただきました。
次回はどの程度のレベルであれば補聴器の装用を検討するのか?
という点についてお話しさせていただきます。