認定補聴器技能者のブログ『補聴器通信』 補聴器の価格について② 東武百貨店5階補聴器さろん
2024.2.13 池袋東武店, 補聴器通信, 補聴器, コラム
東武百貨店池袋店5階10番地 補聴器さろんの豊川です。いつも当店をご愛顧いただき、ありがとうございます。
前回は補聴器と集音器の違いについてお話しさせていただきました。
(前回の記事はこちら https://mirare.co.jp/archives/19869 )
以前はこのお話しのみで「補聴器は健康のことを考えてやはり10万円以上くらいは覚悟しよう!」とご納得いただける方が多かったのですが、昨今テレビCMや新聞広告で10万円を切る「補聴器」が紹介されるようになってきました。
それに伴い、やはり安価な通販等の補聴器でもいいのでは?何が違うのか?というお問合せが増えております。
今回はその点についてお話しさせていただきます。
店頭販売補聴器と通信販売補聴器の違い
2つとも「補聴器」ですので、管理医療機器になります。前回お話しした出力制限等の機能はどちらもついています。何が違うのか?というと「使用者の聴力」に合わせて「補聴器」の「調整」ができるか否かです。
店頭補聴器販売の流れ
①問診
②聞こえの測定
③補聴器の選定・調整
④補聴器の試聴・購入
販売店では主に上記のような流れで販売を行います。
通信販売の補聴器では上記の①~③が飛ばされて、いきなり④という形になります。
前回も触れましたが、
補聴器はその方の聴力、慣れ具合、聞こえ具合等を勘案し音量・音質の調整を行うことで真価を発揮します。
①~③を飛ばしているということは、使用者に合わせて調整を行っていないということになります。
もちろん、通信販売の補聴器であっても音量・音質の可変(狭い意味での調整)ができるものもありますが、元々の使用者の聴力データが無いため、その音量・音質があっているのかの判断ができません。
また、耳鼻科や店頭での測定結果をもとに調整を希望する方がいらっしゃいますが、基本的には調整はできません。
補聴器の調整
では、補聴器の調整とはどのようなことを行うのでしょうか?
主に行うのは使用者の聴力に合わせて音を上げ下げするということです。
一口に「音」といっても色々な音があります。
聞こえの測定では125Hzという低い音~8,000Hzという高い音までを複数分割し、各周波数の音がどれくらいの音量で聞こえるかを測定します。
すべての周波数が、左右共に同じレベルということは基本的にありません。
一般的な加齢性難聴の聴力を例にとると
125Hzに近い音はある程度聞こえていて、8,000Hzの高い音に近づくほど聞こえが悪いという形になります。
聞こえているところはわざわざ補聴器で増幅する必要がありませんから、低い方の音は補聴器で増幅しません。
高い音になるにつれて聞こえが悪くなるので、徐々に補聴器での増幅が強くなるように調整を行います。
この流れで聴力低下にピッタリ補聴器の増幅を合わせる調整ができれば苦労はないのですが、大半の方が今まで聞こえていなかった部分の音が聞こえてくるので「ウルサイ」「響く」といった訴えをもたれます。
そういった訴えに合わせて、「聞こえ」と「響き感等」のバランスの良い位置(本来の聞こえからは弱めに調整)し、慣れに合わせて増幅するという調整を複数回行うことが補聴器には必要となります。
加えて使用者の聴力データを元に補聴器の調整を行いますが、聴力データは不変ではなく、年齢と共に低下する方がほとんどです。
定期的に聴力データを確認するために測定を行い、補聴器の調整具合との照らし合わせが必須となります。
良くとらえれば、聞こえが悪くなったとしても補聴器を買い替えするのではなく、同じ補聴器で悪くなった分を補聴器の増幅を調整することで対応ができます。
(調整の範囲は補聴器の種類によって限界があります。)
(また、補聴器の経年劣化で壊れてしまう場合もありますので、補聴器が一生ものということではありません。)
まとめ
補聴器はその方の聴力、慣れ具合、聞こえ具合等を勘案し音量・音質の調整を行うことで真価を発揮します。
10万円を超える店頭販売の補聴器は上記のことが行えます。通信販売の補聴器はこれができません。
また、調整に必要な各種測定も店頭で行うことができます。
これらを継続的に行っていくことが補聴器を使用しての快適な生活につながります。
東武百貨店池袋店5階10番地 補聴器さろんは、測定・調整の方法についてしっかりと学び、技術を習得した認定補聴器技能者が在籍、測定の設備環境等も第三者機関から認められた認定補聴器専門店です。
安心してご相談ください。